トライデント


 出会いは海だった。
 友達と浜で寝転んでたら、男に声をかけられた。男は2人連れで、声かけた方の見た目がものすごくイケてて、もうそれだけで友達は二つ返事したいみたいな顔するから、遊ぶことにした。その残りの、無言でイケてない方がコウだ。
 そう言ったら語弊があるかもしれないけれど、コウは人相が悪いから仕方ない。ひと重の目が吊り上がってて三白眼気味で目つきが鋭い。脱ぐとでっかい彫り物で埋まった体は鍛え上げられてて、筋肉が隆と盛り上がってる。声かけてきたのそっちのくせに人のことじろじろ眺め回して、一緒にいる間もろくに喋んなくてただずっと煙草を吸ってるばかりで、なんで隣りの彼はこんなやつとナンパしてんだろって思ったものだ。
 帰る頃になって友達が「どうしても超かっこいい方とうまくいきたい一生のお願い」なんて何度目かわからないこと言い出した時、これ以上あれこれするのが面倒だった私は「用事あるから帰るね」ってその場をあっさり抜けることにした。すると意外にもコウが「じゃ送ってく」なんて言い出して、よくわかんないけど友達は願ったり叶ったりの状況になったから私とコウは一緒に帰ることになった。

「送ってく、って。これ、私の車だけど」
 今日初めてくらいのまともな会話をしながらドアの前に立って言うと「まあまあ」なんて、私の車のキーを奪ってコウはさっさと運転席に乗り込んだ。溜め息吐いて助手席にまわるしかなかった。
 どっか連れてかれるのかもと思ったけど、あっさり「どっち?」ってちゃんと聞いてくるから、カーナビをセットしてあげて私は目をつぶって寝たフリをした。そこからコウは急に別人になったみたいに喋り始めて、ようやく見た目ほど人をよせつけない人間じゃないと気づいた。
「運命の出会いってあんだな」
 昨日さ、ひと目ボレしたヤツがいて、と話し出す脈絡ない内容に呆れて、それじゃこんなとこで他の女にかまってる余裕ないんじゃないの? と心の中で思う。私が返事しなくてもコウは気にした様子もなく続ける。
「まだけっこー若ぇのによ。イタリア女はやっぱボディがすげぇよな、なんか見た目がこう、最高にやらしーんだよな。たまんねえ」
 ちらっとコウの横顔を見たら、興奮した様子だったので、バカらしくなった。
「じゃなんで今日私たち誘ったわけ」
「あ? そりゃあいつが女探そうって言ったからだろ」
 間があいたけど、それはコウが回想を逞しくしているせいだろう。
「早くシてぇ」
 そこしか頭ないの?
「ありゃぜってぇ気持ちいいぜ」
 あっそ。
「たぶん俺早ぇだろーな」
 そんな告白されても。
「まだ金足りねえからあれだけど」
 商売系の人?
「お前もヤりたきゃさせてやるぜ」
 は?
「お前もすればたぶん、アイツの良さがわかると思うしな」
 ここまできて、ようやく違和感を覚えた。
「……それ、なんの話」
「あ? 車に決まってんだろ」
 どうして車の話に決まってるのかわかんないけど、ともかくイタリア女は人間ではなかった。
 私はぱちりと目を開けてなんとなく聞いた。
「車、好きなの」
「おう。中古ショップに行った時によ、ほんとは別のヤツ買いにいったんだけどよ。それが、あいつ見てひと目ボレよ。金全然足りねーし。でもどうしても諦めきれねぇよって、頭っから離れなくて。ようし、決めた。明日から俺は真面目に働くぜ」
 眉を大げさに動かしてるコウは昼間とは別人のように見える。喋って愛嬌が出て来たせいかもしれない。切れ長の目が真っ直ぐ前を捉えていて、ああこの人には世界がはっきり見えてるんだろうなと思った。コウには真っ直ぐ前の世界しか、見えてないんだなって。

「お、この辺か?」
 あっさりとうちについて、コウはさっさと車からおりた。拍子抜けするくらい安全運転で早かった。
 薄暗くてなんだか妙な空気が漂ってる。エンジンが落ち車のキーをぽとりとてのひらに落とされて、私はじっとそれを眺めてしまった。
 コウの吊り上がった目が面白そうにゆるまった。
「お前も俺じゃない方が気に入ってたんじゃねえの」
「別に」
「俺、ガキの頃モウチョウしたことあってよ」
 また脈絡なく話し始めるコウの顔を見上げる。夜のうすぼんやりした街灯の下でその顔はなにを思っているのかわかりにくい。
「そんときの切り傷がちっと勲章みてぇだったから、スミ入れたのが最初」
「へえ」
 コウは逞しい腕を組んでバカみたいにその場で立ってる私を眺めてる。よくよく見るとこの顔も悪くない。鼻筋は通ってるし、目と同じく吊り上がった眉はストイックにも見える。目を凝らさないとならない状況だからそんな風に思うのかも。
「見てぇか?」
 急に我に返って私は小馬鹿にしたように鼻で嗤った。コウは屈託のない様子のままだった。
「昼間見たお前の体は好みだぜ」
「それで私をつってるつもり?」
「俺は嘘も着飾った言葉も嫌いだからよ。ほんとのこと思った通りにしか言わねえ。お前の体はいやらしくって俺好みって思ったのは本当だ。昨日ひと目ボレした車とおんなじくらい。だからお前がヤりてぇってんならいいぜ。俺は無理強いは嫌いだからよ」
 じっと目を合わす。コウはまだ笑ってる。余裕があるってことなのか、本人の言葉通り裏表がないってことなのか、そのどっちもなのだろう。私は自分が迷っていると知ってショックを受けた。
 どうしても見せたいわけ?
 そう告げれば、コウは素直じゃねえなお前はと笑いながら近づいた。そのままその場でくちづけされた。脳が痺れて体がうまくいうことをきかなかった。



 それからコウとはちょくちょく会うようになって、私たちは会う度セックスする仲になった。コウとの相性ははじめから良くて、コウですら驚くらい、ぴたりと相手のいいところがわかった。初めての時も明け方までずっとするはめになって、最後はお腹が空きすぎて2人とも飢え死にするかと思った。その後もところかまわず盛るコウは、いつも私の体を褒めた。「お前の体に惚れた」と公言して憚らず「車がない間はお前に乗って我慢する」とよくその通りにした。コウに乗っかられてると本当に車になった気持ちで、いつか例のイタリア女がコウのものになったらこんな激しくて気の狂うような運転をするのだろうかとよく考えた。コウの欲望は底なしで、薄暗いとかひとけが少ないというだけでもうその気になってしまうから、私たちはどこかへ出かけてもすぐに家や車へと戻るはめになった。コウの体力に付き合うのはそれなりに至難だったけど、結局考えるだけ無駄だった。

 お互い海が好きだとわかった私たちは海にもよくでかけた。海の見えるカフェのテラスで何時間も風に吹かれてることもあった。海に行くと黙って煙草を吸い続けるコウの横顔はひどく真剣で、そういう時何を思っているのかわからないものだった。でもコウは真剣に考え事をしている時に1番煙草を吸うんだと気づいて、あのナンパされた日にコウがずっと気にしていたのは車のことであったのだと思い返しては密かに笑った。靴を脱いで椅子の上に体育座りして波と地平線と空しかない世界を眺めているのは、普段の私たちのしてることからすると360度くらい別人みたいだったけど、いつも事後に感じる気怠くてだけど心地よいような眠りの中にいるのと同じくらい愛おしい時間だった。
 いい風が吹いてきて波の音が高まったので、私はそっと目を閉じて肌で感じようとした。同時に隣りから「あーお前とヤりたくなってきた」というしょうもない声が邪魔した。口元に自然に笑いが出た。
「ほんと、コウはサイテー」
「とかいって、それに同調して喜んでるだろ」
 ジュースをぶっかけてやろうかと動いてみたものの、確かに自分も同じ気持ちになってると知ったからやめた。コウの目はまだ海を見ていた。あの目が私とセックスしてる時ひどく強く挑戦的に細まり、跳ね上がった目尻が扇情的に染まることを思い出した。すると連鎖でそんなのに見つめられたら自分の中の感情が全部漏れでてしまいそうで急いで口を塞ぐためにコウにキスしてしまうことも思い出した。コウのキスは食われてるみたいに獰猛で心臓が止まりそうなほど熱くて苦しくて好き。それで余計に煽られて私はもっともっととコウが欲しくなる。そういう悪循環を生む目なのだあれは。
「あ、今俺とヤッてるとこ想像したろ」
 急に突っ込まれて慌てた。いつの間にかコウはこっちを向いていて、黙ってると怖いのに、笑うとひどく心強いその目で私のことを観察していた。私は体を縮めて誤魔化した。
「一緒にしないで」
「いや、俺にはわかるね」
 そうしてコウはゆっくりと身を乗り出して私の視線の前に立ちふさがる。
「悪ぃけども少し海が見てーんだ。あとでたっぷり可愛がってやっから、今はこれで我慢しろ。な?」
 言いながら柔らかく触れてきたくちびるにとらわれる。これだけ、と言いながらなかなか離れずにそのうち舌が入り込んで甘くからめとられてる。思わず手がコウの首に巻きつこうとするのを必死で我慢した。薄目をあけると、閉じた目のラインが綺麗に弧を描いているのを見れた。なんていやらしい形をした目だろうと思った。鼻も、くちびるも、頬の形もみんなみんなやらしく私のことを笑った。
 最後にぺろりとくちびるを舐められて顔が離れた。小刻みに体が震えるのをおさえきれなかった。コウの顔はもう、元の海だけを追っていた。



 出会って3ヶ月くらい経った。いつものようにコウはうちへやってきて、冷蔵庫をのぞき込んだ私にまた勝手に盛ってからみついた。私は半ばそれらを無視しようと努めながら、でも這いのぼる手つきに集中力が途切れがちになった。そのくせ、コウは焦らすようにまた脈絡のない会話を始めたのだった。
「ようやく例のイタリア美女が手に入りそうだぜ」
「お金、溜まったの?」
「おうよ。相当苦労した甲斐があったってもんよ」
 そうとは見えない感じだったけど、コウが体力バカだからだと納得した。そのくせ太ももや脇腹を際どく往復する肉厚の手はひどく繊細な動きを見せる。私は必死で何気ないふりを装う。
「…まだ、売れ残ってるんだ」
「バイヤーにぜってー俺以外に売んなよって脅してあっからな」
 そりゃまた気の毒に、とは思っても言わない。
「楽しみだな」
 コウはゆっくりと首筋にくちびるを押しつけて囁いた。漏れ出た空気が肌をなぞる。見なくてもコウがどんな顔してるかわかる。冷たい冷蔵庫の奥に手を伸ばしたら、横からバタンと閉じられた。
「アイツの乗り心地も、こんな風にいいのか……」
 じりじりと灼かれていた熱がすうと引いて行くのを感じて、私の体は固まった。
「良かったじゃん」
 ちっとも良いと思っていない口ぶりに、自分で驚きながらも、ブラのホックを外しかけていたコウを身をよじって突き放す。そそくさと冷蔵庫に戻った。
「なんだよ」
「したくない」
「1秒前までその気だったくせに」
「でもしたくない」
「なに急に機嫌悪くなってんだ?」
 不可解というよりむしろ呆れたように、コウは手持ち無沙汰になった手を宙に浮かしている。私はなおも同じ言葉を繰り返す。
「したくない」
「……」
 じっと私を見ているコウの目が徐々に細まる。そうすると切れ長が強調され鋭く尖り、こういう時ばかりはコウを知った気になっている私でさえも少し怖いような気分になる。
「物事ってのは単純なんだ。いいか悪いか。そんなぐだぐだ悩む余地なんかねえ。ヤりてえかヤりたくねえか、それだけだろ」
 愕然と相手を見る。
 そうやって、コウは全て決めてきたのだ。
 どっちが正しいとか間違ってるとかじゃない。コウの世界の中にはたぶん、二者択一しかなかった。自分の判断に素直に従ってるだけ。でもその裏表のなさが時にひどく残酷であると思い知らされる。
「車、手に入るんでしょ」
 どうしてか笑顔が出てしまった。
「早く買ってきなよ」
 私がいつもと変わらないトーンで告げたのに、コウの表情はどんどん厳しく引き締められていった。私が耐えきれなくなって顔をそらすと、はっきりと告げられた。
「俺ははっきり、お前の体が気に入ったって言ったぜ」
 つまり私はその車のかわりであった。
 確かにコウはその車と同じくらい体だけを愛していると言った。
 コウの世界は単純で2つも同じものはいらない。だから片一方が手に入ればもう片方はお払い箱なのだ。
 わかっていたことをあらためて突きつけられて、私はもう、コウの顔を見ることができなかった。
「帰って。もう会わない」
 しばらくの間を置いて、溜め息とともに出て行く音が聞こえた。
 その時になって私は、コウの家も素性もなにもかも知らされていない事実を受け止めた。



 それからコウは来なくなった。
 もし突然連絡が途絶えて会わなくなったのだったとしても、まったく不思議には思わなかったと思う。自分からさっさとケリをつけてしまった今の方が合理的であったぐらいの差だろう。きっとコウはイタリア女を乗り回して毎日楽しんでるだろうと考えた。
 ただ、3日と空けず会い体を交わしていたせいか、2週間コウと離れているだけでおかしな気分だった。どうしようもなく溜まっていく熱に浮かされ、時々夜中に目が覚めた。そういう日はそっとベッドを抜け出して、1人ドライブに出た。行き先は大抵海で、それもコウと出会ったあの場所に赴くのだった。わざわざそんな場所を選んでしまうのは、世の中は単純じゃないことを証明したいがためだった。
 夜の海は驚くほど真っ暗で、地平線と水平線の区別もつかないほど何も見えなかった。どこからが浜辺かも怪しくて、ビーチを歩いているとうっかり波に濡れてしまうことが多々あった。いくらここが南方とはいえ既に海水浴のハイシーズンは過ぎて、真夜中ともなればなおさらひと気は消えていた。ただ静かに波打ち際を裸足でさくっさくっと歩いてると、暗い向こうのように徐々に気が落ち着いていく。でも鎮まったと思ったこころは車に戻り家へ帰っているうちにまたぶり返してしまうことが殆どだ。だから私はじっくりと時間をかけ、端から端まで水際をたどるように歩き続けねばならない。その距離は日に日に伸びていった。
 冷たい水がくるぶしまでかかると、波に攫われる砂の感触が伝わった。その感触を追い求めているうち、長く浸かったせいで感覚が麻痺して、歩く場所が波打ち際よりも少し、海の方に寄っていた。濡れた重い砂に足をとられ、よろけて尻餅をついた時、波がどっと押し寄せた。起き上がる気力が失せ、どこを見つめているのかもわからないまま、私は遠く平らかな暗黒の世界の方に目を向けた。幾度も幾度も手や足や腰に冷たい水が襲いかかり、そうしていると少しずつ私も砂のように攫われているような気がする。気がつかないままに、そのうち海にたゆたっているかもしれない。そんなことを考えて呆然としてる間に、そっと寝転がってみようかと体を乗り出した。急に腕をつかまれて、ぎょっとした。
「お前なにしてんだ?」
 聞き覚えのある声に体が先に反応した。
「こんな時間に海水浴もねえだろ」
 ただの影でしかない存在に、緊張を強いられている自分がいる。
 どうしてコウがここにいるのだろう。
 びしょぬれの体を無理やり起こされ、浜側にひきずられそうになるのを、無意識に抵抗した。「放してよ」という強ばった声が出た。
「んだよ、夜の海でなんか泳げねえだろ」
「ほっといて」
「……お前誰だ」
 どうやらコウは私に気づいてなかったのか、そんな風に言った後、この暗闇の中で私の顔をのぞき込む仕種を見せた。こんな近距離だというのにほとんど黙視できない状態の中、それでも思い至る節があったのか、驚いたようになにかしら口にした後、勝手に手で私の輪郭をたどり、マジかよやっぱ本物かよと呟いた。私は憮然とその手の動きを感覚だけで追っていた。
「なにしてんだよ」
「…いいでしょ、別に」
「よくねえよ」
「散歩だから」
「今のが?」
「そう」
「溺れるのが?」
「溺れてない」
「飛び込もうとしてたじゃねえかよ」
「してない」
「俺の視力なめんな」
「私に気づかなかったくせに」
「気づいたから来たんだろ」
「私だとは思ってなかったでしょ」
「今気づいただろ」
「でも声だけじゃわからなかったんでしょ」
「あのなあ」
 そうしてる間にもコウの手は私の体の存在を確かめるようにゆるゆると動いていて、私はただ戸惑うばかりのはずが、その手が気持ちいいなどと思い始めている。
「お前だって気づけば充分だろ」
 その声は深く穏やかで、どこか浮き足立つような雰囲気を匂わせている。暗闇でお互いの声と感触しか認識できないというのは、ひどく欲情することなのだと感じる。なのに。
「こんなイイ体」
 ああ、また。
「コウはそれしかない」
「…あのよ」
 コウの手がゆっくり這い上がる。私の情欲の火を煽るように。
「お前の言いてぇのはつまり、俺のことが好きってことだろ?」
 なんで、どうしてそうなる?
 私はコウが好きなんて口にしたことがない。考えたことも。なのに、どうしてそんなにはっきりと、この暗闇の中でわかるというのか。私は皮肉ってみせる。
「コウが好きなのは、体であって、私じゃないのでしょう? 私もそれだけかもよ」
「ああ……1つだけ教えてやるけど、体が好みってもし俺がそう言われたら嬉しいぜ。だってよ、俺はこの体あってこその俺だからな。心臓が服着て歩いてるわけじゃねえんだ」
 気づけば囚われるように腕の中にいて、顔をたどる手に上向きにされて、指でくちびるの位置を見つけられてしまっていた。
 よくは見えないのに、コウの切れ長の目がほんの少し笑って、でも余裕は失っていると直感した。
「お前だって、俺のこの体が恋しくてここにいたんだろ」
「私が?」
「そうだ」
「信じられない」
 そう言いつつも声は掠れてしまってる。
「コウは、私の体が好きなの?」
「始めっからそう言ってんだろうがよ、この強情っぱり」
 見つけられたくちびるがコウに塞がれた。嗅ぎ慣れた煙草の味がして、コウがここで何してたのか知って、合わさったくちびるから笑いが漏れた。もつれるように砂の上に2人でひっくりかえる。コウの上に乗ってそのくちびるや舌を貪るのはすごく快感だ。コウと同じように私の手もコウの体中に触れてみた。すぐにこの体が好きだと感じた。
 そのまま私たちはセックスをした。時々波が2人の体に押し寄せては、引いていった。
「お前ともうヤれねえのかと思ったら毎日辛くってよ」とコウが言った。
 なんとなく「毎日乗りにくれば」って言ってやった。
 コウは「おう」と嬉しそうに笑った。


Fin